トピック第18回 水安全計画
トピック第18回 水安全計画

東京都水道局では、これまでも安全でおいしい水の供給のために、水源から蛇口までのきめ細やかな水質検査の実施など、常に水質管理に万全を期してきました。
さらに、平成19年度より、全国ではじめて「水安全計画(三郷浄水場版)」を策定し、運用を開始しました。
今回は、この「水安全計画」についてです。
水安全計画(Water Safety Plan:WSP)とは
世界保健機関(WHO)が提唱した新しい水質管理手法のことで、食品分野の衛生管理手法である「危害分析・重要管理点(HACCP)」の考え方に基づき、水源から給水栓までのリスク評価とリスク管理を実施するものです。
水安全計画の考え方の基となるHACCPってなぁに?
「HACCP」(ハサップ)は、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で、日本語では、危害分析・重要管理点と訳されています。従来から行われてきた最終製品(食品)の検査に重点を置く衛生管理手法とは異なり、製造において重要となる工程で管理することによって、食品の安全性を高めるというものです。
水源から給水栓までのリスク評価とリスク管理
リスク評価
水安全計画において、水質汚染などの水道水の安全性を脅かす要因を「危害」といいます。水安全計画では、水源から給水栓までのあらゆる過程における、すべての危害を特定し、その種類、発生箇所、発生頻度及び影響の大きさを評価します。リスク管理
リスク評価で特定した危害について、その重大さに応じ、危害の影響を未然に防止するための対応方法を設定します。また、危害の発生による水質の変動や、管理対応措置の効果を監視する方法について設定します。さらに、危害が発生した場合に迅速かつ的確な対応を図るため、対応をあらかじめマニュアルとして整備します。実際に危害が発生した場合には、マニュアルに基づき徹底した管理が可能となり、水道水質への影響を防止する又は最低限なものにします。


【図 水安全計画のイメージ】
東京都水道局では、すべての浄水場および送・配・給水における水安全計画を策定しました。
TOKYO高度品質プログラム(東京都版水安全計画)とは
東京都水道局では、ここまでで説明してきました「水安全計画」に加え、ISO 9001に準じた品質管理、水質検査の信頼性を保証するISO/IEC 17025の三者を一体で運用する『TOKYO高度品質プログラム(東京都版水安全計画)』の運用を実施しています。
そして、TOKYO高度品質プログラムの着実な運用により、将来にわたって、より高いレベルの安全性とおいしさを確保していきます!
(TOKYO高度品質プログラム(東京都版水安全計画)についての詳細は、 http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/suigen/s_unyo.html をご覧ください)
【図 TOKYO高度品質プログラム(東京都版水安全計画)のイメージ】