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水道事業紹介

水を育む水道水源林を守る人

水を育む水道水源林を守る人 田辺 厚大さん

主な仕事は水道水をつくる
水道水源林と小河内貯水池の保全

水道水源林には、水を蓄える、水をきれいにする、土砂の流出を防ぐ、二酸化炭素を吸収して酸素を放出する、様々な生き物を育てるなど、大切な役割があります。水源管理事務所が管理する水道水源林は、東京都の奥多摩町だけでなく山梨県の小菅村、丹波山村、甲州市にも広がり、その面積は約24,000ha。多摩川の上流に位置し、東京都全体(約2,194 km²)の約9分の1に相当する、国内の水道事業体が管理する森林としては最大級の規模です。都水道局では、1901(明治34) 年から、水道水源林を管理しています。 私が所属する水源管理事務所技術課では、水道水源林の管理と育成を通じて、河川流量を確保し、小河内貯水池の保全を図っていくことを主な業務としています。健康な森が育てば、樹木の根が地面を抑え、貯水池に土が流れ込むのを防いでくれます。また、枝や落ち葉などが積もり柔らかいスポンジのような土ができるので、保水性も高くなります。生き生きとした森を守り、多摩川上流からきれいな水を届けるために、適切な管理をしています。

おいしい水を作るために
森林を守りたい

蛇口をひねり水が出たときに森林をイメージする方は少ないのではないでしょうか。でも、おいしい水を作るために森林はなくてはならないものなのです。
現場には週に2日〜4日ほど行って樹の種類や本数、高さ、生育状況等を調査し、前回の調査との違いを確認します。森林の管理は、経験や知識が重要になるので、日々の仕事を体系づけて、きちんと記録として残し、情報を共有するように心がけています。森林の管理はすぐに結果が出るものではありません。そのため、短期的な視点と長期的な視点をバランス良く持つことが大切になります。また、感覚的な判断に頼らないことも心がけています。 私たちの仕事はあまり表に出ることはありませんが、蛇口からおいしい水が出てくるのは 水道水源林がしっかりと管理されているからであり、責任を感じています。

大切なことは情報収集のために
アンテナを張ること

自然の中に情報はたくさんありますが、言葉で話してくれたり、数字を出してくれるというわけではありません。また、私たちに見えていることが全てではありません。見えていない 情報をキャッチするためにも、常にアンテナを張っている必要があります。地元の自治体や 住民、関連する官公庁や Web などからの情報も貴重です。例えば、私たちが歩いていない所で「どこどこが崩れていた」と詳しい情報が入る場合もあります。情報収集をするためには 多角的な視点を持つことが必要です。現場に行く前に、いかに最新情報をしっかり収集しておくかが現場調査の〝肝〟だと思っています。

100年先を見据えた
仕事をしていく

小河内貯水池にこれだけ水が蓄えられているのは、100年以上前の人たちの成果だと思っています。ここは、2世代、3世代前の人たちが頑張って未来のために残してくれた森林なのです。私たちが毎日森林と向き合って取り組んでいることの成果が出てくるのは、10年、20年先、もしかしたら、50年後になるのかもしれません。ですから、100年後にどうなるかということを常にイメージしながら管理をしていかなければいけないと思っています。「100年前の人は先見の明があっていい仕事をしたな」と、今、私たちが感じているように、次世代にそう思われるような仕事をしていきたいです。

他の職員インタビュー

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