史跡玉川上水整備活用計画の概要

計画策定の基本的考え方

  1. 目的
    「史跡玉川上水保存管理計画」に基づき、今後東京都水道局が関係機関等と連携して取り組むべき施策を明らかにすること
  2. 計画期間
    平成22年度から31年度までの10年間
    ※ 令和2年度以降、当面の間、延長
  3. 計画対象区間
    中流部(小平監視所から浅間橋までの約18km)

玉川上水の現状と課題

  1. 水路及び法面
    • 中流部全体にわたり、霜崩れや乾燥、雨水流入により法面状態が悪化
    • 場所によっては、法肩の巨木が倒れることにより、周辺民家、歩行者等に影響を及ぼすおそれ
  2. 樹木
    名勝「小金井(サクラ)」の樹勢の低下、成長した樹木や落葉による生活環境への弊害や中低木による眺望の悪化
  3. 緑道・歩道
    部分的に緑道や歩道が途切れている区間があり、安全・快適な通行を阻害
  4. その他
    (説明板の不足、統一性に欠けるフェンス、PR強化の必要)

整備活用施策

保存整備

  1. 水路・法面の保全(本文16ページ参照)

    崩落危険箇所のうち、優先度を定め、素掘り水路の景観を損なわないように配慮しながら、以下の整備を進めることとする。

    <実施施策>

    • 樹木対策(倒壊の恐れの高い巨木の伐採)
    • 法面保護工事
    • 雨水流入対策

    <実施予定箇所>

    • 35箇所程度
  2. 名勝「小金井(サクラ)」の並木の保存(本文19ページ参照)

    <実施施策>

    • ヤマザクラを被圧する樹木への対処
    • ヤマザクラの補植(後継樹育成に向けた補植のルール、補植場所の提供)
    <進め方>
    • モデル区間を設定し、地元自治体や地元団体等と協働しながら先行整備
      設定区間 : 都立小金井公園正門前の新小金井橋から関野橋まで(約640メートル)
    • 平成22年度は、この区間のうち150メートル程度で実施予定。
    • その他の区間では、モデル区間での整備状況を検証しつつ、順次ヤマザクラ並木を形成。

活用整備

  1. 現地の施設等の改善(本文25ページ参照)
    • 散策路等の改善(眺望・安全快適な通行の確保)
      • - 水路内の中低木の剪定等による眺望の確保
      • - フェンスの張り出しにより散策路が途切れている箇所を改善
        <実施箇所> 小川水衛所跡地(小平市)、境水衛所跡地(武蔵野市)
        <実施時期> 平成22~24年度
    • 説明板の設置 (7箇所程度)
    • フェンスデザインの規格化
      玉川上水沿いフェンスの更新時に準拠すべき規格を設定
    • 散策ルートの設定
  2. PR活動の強化(本文31ページ参照) … 平成21年度から着手
    • ホームページの改善
      水道局ホームページの中で玉川上水に関する情報を充実
      (実施例)
      パンフレット等の紹介
      関係ホームページのリンク
    • 水道局施設の活用による普及・啓発 等
      (実施例)
      水道歴史館(東京都文京区)での資料収集・展示公開及び情報充実

その他の取組

  • 地元や関係機関との連携の強化
  • 環境施策の推進
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