トピック第12回 ミネラルウォーター類
トピック第12回 ミネラルウォーター類

東京都水道局では、水道水のおいしさを実感してもらおうと、高度浄水処理100%の水道水を詰めたペットボトル『東京水』をイベントなどで配布するほか、都関連施設などでも販売しています。
今回は、ペットボトルで市販されているミネラルウォーター類についてご紹介します。
1)ミネラルウォーター類とはどんなもの?
食品衛生法では、ミネラルウォーター類を「水のみを原料とする清涼飲料水をいう」 としており、これには、二酸化炭素を注入したもの(炭酸)、カルシウム等を添加したものも含まれます。
清涼飲料水・・・ | 乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除くアルコール分1パーセント未満を含有する飲料を指します。 |
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2)ミネラルウォーター類の水質について
食品衛生法第11条に基づく「食品、添加物等の規格基準」によって、ミネラルウォーター類の安全性が確保されています。
ミネラルウォーター類の規定には、成分規格と製造基準があり、水質の分析項目は、除菌・殺菌工程の有無によってことなります。
ミネラルウォーターと水道水の水質規格
検査項目 | 成分規格適合値 | 水道水質 基準値等 |
ミネラルウォーター類(殺菌・除菌無) | ミネラルウォーター類(殺菌・除菌有) | 水道水 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
一般細菌 | ※1 | 100個![]() |
※1 | ※1 | ○ | 生物汚染指標 |
大腸菌 | 検出されないこと | ○ | ||||
カドミウム 及びその化合物 | 0.003mg![]() |
0.003mg![]() |
○ | ○ | ○ | 重金属類 |
水銀 及びその化合物 | 0.0005mg![]() |
0.0005mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
セレン 及びその化合物 | 0.01mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
鉛 及びその化合物 | 0.05mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
ヒ素 及びその化合物 | 0.01mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
六価クロム化合物 | 0.05mg![]() |
0.05mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
シアン化物イオン及び塩化シアン | 0.01mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ○ | 無機物 |
硝酸態窒素及び 亜硝酸態窒素 |
10mg![]() |
10mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
亜硝酸態窒素 | 0.04mg![]() |
0.04mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
フッ素 及びその化合物 | 2mg![]() |
0.8mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
ホウ素 及びその化合物 | 5mg![]() |
1.0mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
四塩化炭素 | 0.002mg![]() |
0.002mg![]() |
○ | ○ | 一般有機物 | |
1,4-ジオキサン | 0.04mg![]() |
0.05mg![]() |
○ | ○ | ||
シスー1,2-ジクロロエチレン及びトランスー1,2-ジクロロエチレン | 和として 0.04mg ![]() |
0.04mg![]() |
○ | ○ | ||
ジクロロメタン | 0.02mg![]() |
0.02mg![]() |
○ | ○ | ||
テトラクロロエチレン | 0.01mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ||
トリクロロエチレン | 0.004mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ||
ベンゼン | 0.01mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ||
塩素酸 | 0.6mg![]() |
0.6mg![]() |
○ | ○ | 消毒副生成物 | |
クロロ酢酸 | 0.02mg![]() |
○ | ||||
クロロホルム | 0.06mg![]() |
0.06mg![]() |
○ | ○ | ||
ジクロロ酢酸 | 0.03mg![]() |
○ | ||||
ジブロモクロロメタン | 0.1mg![]() |
0.1mg![]() |
○ | ○ | ||
臭素酸 | 0.01mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ||
総トリハロメタン | 0.1mg![]() |
0.1mg![]() |
○ | ○ | ||
トリクロロ酢酸 | 0.03mg![]() |
○ | ||||
ブロモジクロロメタン | 0.03mg![]() |
0.03mg![]() |
○ | ○ | ||
ブロモホルム | 0.09mg![]() |
0.09mg![]() |
○ | ○ | ||
ホルムアルデヒド | 0.08mg![]() |
0.08mg![]() |
○ | ○ | ||
アルミニウム 及びその化合物 | 0.2mg![]() |
○ | 着色 | |||
鉄 及びその化合物 | 0.3mg![]() |
○ | ||||
銅 及びその化合物 | 1mg![]() |
1.0mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
マンガン 及びその化合物 | 0.4mg![]() |
0.05mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
ナトリウム 及びその化合物 | 200mg![]() |
○ | 味 | |||
塩化物イオン | 200mg![]() |
○ | ||||
カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 300mg![]() |
○ | ||||
蒸発残留物 | 500mg![]() |
○ | ||||
有機物(全有機炭素の量) | 3mg![]() |
3mg![]() |
○ | ○ | ||
陰イオン界面活性剤 | 0.2mg![]() |
○ | 発泡 | |||
非イオン界面活性剤 | 0.02mg![]() |
○ | ||||
ジェオスミン | 0.00001mg![]() |
○ | 臭気 | |||
2-メチルイソボルネオール | 0.00001mg![]() |
○ | ||||
フェノール類 | 0.005mg![]() |
○ | ||||
㏗値 | 5.8以下8.6以下 | ○ | 基礎的性状 | |||
味 | 異常でないこと | 異常でないこと | ○ | ○ | ||
臭気 | 異常でないこと | 異常でないこと | ○ | ○ | ||
色度 | 5度以下 | 5度以下 | ○ | ○ | ||
濁度 | 2度以下 | 2度以下 | ○ | ○ | ||
残留塩素 | 3mg![]() |
0.1~1.0mg![]() |
○ | ○ | 臭気 | |
亜塩素酸 | 0.6mg![]() |
0.6mg![]() |
○ | ○ | 消毒副生成物 | |
ジクロロアセトニトリル | 0.01mg![]() |
0.01mg![]() |
○ | ○ | ||
1.2-ジクロロエタン | 0.004mg![]() |
0.004mg![]() |
○ | ○ | 一般有機物 | |
トルエン | 0.4mg![]() |
0.4mg![]() |
○ | ○ | ||
アンチモン及びその化合物 | 0.005mg![]() |
0.02mg![]() |
○ | ○ | ○ | 重金属類 |
バリウム | 1.0mg![]() |
0.7mg![]() |
○ | ○ | ○ | |
混濁 | 確認されないこと | ○ | ○ | 濁度として実施 | 基礎的性状 | |
沈殿物 | 確認されないこと | ○ | ○ | |||
スズ | 150mg![]() |
○※2 | ○※2 | 重金属類 | ||
大腸菌群 | 陰性 | ○ | ○ | 大腸菌として実施 | 生物汚染指標 |
※1:製造基準(原料の水へ係る基準)で規定。基準値は次のとおり
殺菌・除菌無→ 5個/mL以下
殺菌・除菌有→100個/mL以下
※2:缶飲料の場合のみ実施
ミネラルウォーター類 | 水道水 | ||
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個別規格 | 水質基準 | ||
一般規格 | 水質管理目標設定項目 | ||
要検討項目 |
3)市販されているミネラルウォーター類の種類について
農林水産省が設定した品質表示ガイドラインでは、原水の採水場所や処理方法によって、ミネラルウォーター類を4種類に分けています。
品名 | ナチュラル ウォーター |
ナチュラルミネラル ウォーター |
ミネラル ウォーター |
ボトルドウォーター または 飲用水 |
---|---|---|---|---|
原水 | 特定の水源から採水された地下水のみ | ・特定の水源から採水された地下水(鉱泉水、鉱水など) ・ミネラル成分が溶け込んでいる |
・何種類かのナチュラルミネラルウォーターを混合したもの ・ナチュラルミネラルウォーターのミネラル分を人工的に調整したもの |
飲用できる水 (水道水、蒸留水、河川の表流水などで飲用に適しているもの) |
処理方法 | 沈殿、ろ過、加熱殺菌 | 沈殿、ろ過、加熱殺菌 | 沈殿、ろ過、加熱殺菌、原水のブレンド、ミネラル成分の調整、オゾン殺菌、紫外線殺菌、ばっ気(水に空気を送り込んで溶け込ませること)など | 特に規定されていない |
(農林水産省「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」より)