水の濁り
水道水は無色透明ですが、東京都の水源は主に川の水であり、濁っています。どのようにして濁りを取り除き、きれいな水道水を作っているのでしょうか?
このページでは、水の濁りの除去について紹介します。
1 「濁り」の正体
東京都の浄水場の水源は、主に川の水です。川の水は、程度の違いはありますが、濁っていることがほとんどです。
川の濁りは、主に山の土砂などからくる粘土成分です。また、金属や有機物が不溶性の粒子になったものや、プランクトンなどの微生物が濁りの原因になることもあります。
濁り成分のうち、粒の大きいものはすぐに沈みますが、小さい濁り粒子はなかなか沈まず、いつまでも水の中を漂っているので、そのまま放っておいても透明な水になることはありません。このため、濁った水から透明な水道水を作るには、浄水処理が必要になります。
2 台風襲来時の濁り
台風がもたらす豪雨により川が増水すると、川の濁度(注1)も大幅に上昇します。通常、晴天時の利根川や荒川の濁度は5度前後ですが、台風による豪雨時には、最高で数千度に達する場合もあります。
近年では、令和元年10月に関東地方を直撃した台風19号により、江戸川から取水している金町浄水場で、最高1200度を記録しました。
通常時(濁度5度) 濁度1200度
図1 通常時(左)と台風時(右)における川の水の比較
注1 濁度(だくど)…濁りを表す尺度。水1リットル中に、濁度の標準物質を1ミリグラム含むときの濁りを濁 度3度とする。
3 浄水場で濁りをとる
浄水場では、水から濁り成分を除去するため、急速ろ過(「凝集沈殿」(注2)及び「砂ろ過」(注3))という処理を行っています。
(急速ろ過については、こちらをご覧ください。)
注2 凝集沈殿処理…川から取水した水に凝集剤(水中に分散した濁り成分を凝集させるために使用され る薬品)という薬を投入し、浮遊している濁り成分を集め、大きな粒にして沈めます。
注3 砂ろ過処理…凝集沈殿処理をした水のうち、上澄みのきれいな水を砂の層に通して、凝集沈殿処理 でとりきれなかった細かい濁りを除去します。