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放射性物質の除去

放射性物質の除去

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、東北地方を中心に太平洋沿岸に甚大な被害を及ぼし、被災した福島第一原子力発電所からは、多量の放射性物質が大気中へ放出されました。
 放出された放射性物質は降雨とともに河川へ流入し、河川を水源とする浄水場では水道水から放射性物質が検出されるなどの影響が見られました。
 事故直後は東京都水道局でも一時的に水道水から検出されましたが、同年4月5日以降現在まで不検出の状態が続いており、安全な水道水をお配りしています。
 このページでは浄水処理による放射性物質の除去について紹介します。
 (浄水(水道水)・原水中の放射性物質の測定結果はこちらをご覧ください。)

1 福島第一原子力発電所由来の放射性物質

 福島第一原子力発電所から大気中に放出された放射性物質は、風によって運ばれ、事故後に降った雨により地表へと降下し、雨水とともに河川に流入しました。

 河川水は水道水の原料となるため、浄水場では河川に流入した放射性物質による影響を受けました。


図1 環境中の放射性ヨウ素及び放射性セシウム

2 浄水場での放射性物質の除去

 水道局では、これら放射性物質の除去方法を検討し、効果的な浄水処理を行ってきました。浄水場における放射性物質除去の仕組みについて紹介します。

放射性ヨウ素の除去

 ヨウ素は河川水中で様々なイオン(電気を帯びた状態)の形で存在しますが、イオンの形態のままでは、一般的な凝集沈でん処理や粉末活性炭処理では除去できません。

 しかし、ヨウ素は消毒用の塩素と接触することで形態が変化し、粉末活性炭によって除去されやすくなるため、粉末活性炭処理を行う前に適切な塩素処理をすることで、ヨウ素を効果的に除去することができます。

 事故後から、水道局ではこの方法を検討・実施するとともに、検討結果を国や他の水道事業体に速やかに情報提供することで、放射性ヨウ素の除去に努めました。


図2 粉末活性炭による放射性ヨウ素の吸着イメージ

放射性セシウムの除去

 イオン形態のセシウムはプラスの電荷を帯びているため、マイナスの電荷を帯びた土壌の表面に吸着されやすく、水に溶け出しにくいという性質があります。

 このため、土壌表面に吸着されたセシウムが、降雨により濁質とともに河川水中に流出した場合も、濁質に吸着されていることから、浄水場での処理工程の一つである凝集沈殿処理により、濁質と一緒に比較的容易に除去することができます(図3)。


図3 凝集沈でん処理による放射性セシウムの除去イメージ

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