(H18)質の高い水道サービスの提供

施策
18年度の主な実施内容 評価
(1)
安全でおいしい水の安定的な供給
計画
  • 八ッ場ダムなどの事業による水源確保
  • 高度浄水施設の整備(利根川水系)
    金町浄水場
    :日量 150万m³
    三園浄水場
    :日量 30万m³
    東村山浄水場
    :日量 88万m³
  • 村山下貯水池の堤体強化工事
  • 送配水管の整備
    新設
    56km
    取替え
    143km
  • 漏水防止対策の推進
  • 「安全でおいしい水プロジェクト」の推進

 国土交通省及び独立行政法人水資源機構により、水源施設の建設が進められています。八ッ場ダム・滝沢ダムなどの水源施設が完成することにより、水源確保率が向上します。

 高度浄水施設の整備により高度浄水処理率が向上し、より一層安全でおいしい水をお届けすることができます。

 下流域側の市街地化等を考慮し、村山下貯水池の堤体強化工事を進め、耐震性の強化を図ります。

 送配水管の整備により、安定的かつ効率的な配水の確保及び耐震性の強化を図っています。

 平成18年度の漏水率は3.6%で前年度より0.6%改善しました。このことは平成19年5月にニューヨークで開催された第2回世界大都市気候変動サミットにおいても、国外から多くの注目を集めました。

 貯水槽水道の適正管理を促すとともに直結給水切替えの促進を図るため、平成16年度からの5箇年で、都内の全貯水槽水道約22万件を対象に点検調査を行います。平成18年度は5万5千件実施し、管理に不備があった貯水槽水道3,733件については設置者に対する指導・助言及び利用者に対する情報提供を行いました。
 また、今年度より、早期に改善の必要があった貯水槽水道に対し、改善状況の再調査(フォローアップ)を870件実施し、うち322件については再度改善指導を行いました。

 「安全でおいしい水キャンペーン2006-知って、ナットク!東京水-」等の催しに参加していただいたお客さまに、高度浄水処理水をペットボトルに詰めた「東京水」の試飲等をしていただき、多くのお客さまに東京の水道水の安全性やおいしさを実感していただくことができました。
 また、各営業所等の既存車両にラッピングを行い、「安全でおいしい水プロジェクト」の広報に役立てました。

 小学校4年生を対象に、水道に対する理解を深めてもうらうため、キャラバン隊を編成して小学校を巡回し、劇などを取り入れた講義を実施しました。平成18年度は都内小学校84校で実施し、好評を得たため、平成19年度以降も実施規模を拡大し取り組んでいきます。

 都独自のおいしさに関する水質基準であるトリクロラミン含有量について平成18年度の達成率は85%であり、前年度比で25%アップしました。

実績

 八ッ場ダム・滝沢ダムなどの水源施設の建設を進めました。

 金町浄水場では、高度浄水施設の建設に伴う既存施設の撤去工事等を実施しました。
 また、東村山及び三園浄水場では、高度浄水施設築造工事等を実施しました。

 村山下貯水池では、堤体強化工事等を実施しました。

 送配水管の整備は、管路の新設56km、経年管などの取替え143kmを実施しました。

 経年管の取替えや給水管の材質改善等を推進し、漏水率が改善しました。

 平成16年6月より開始した「安全でおいしい水プロジェクト」の一環として、下記の施策等を実施しました。

  • 「クリーンアップ!貯水槽」
  • 「安全でおいしい水キャンペーン2006―知って、ナットク!東京水―」
  • 局有車のラッピング
  • 「水道キャラバン」の開始
  • トリクロラミンの含有量について前年度より達成率が大幅にアップ
(2)
お客さまサービスの向上
計画
  • 選択制サービスの導入
  • 支払方法の多様化
  • 桜等の開花時期にあわせた施設開放

 当局が開発した自動検針システムを活用し、離れて暮らす御家族等の水道の使用状況を電子メールやホームページでお知らせするサービス(みまもりサービス)の実地試験について、約100組のモニターを募集し、平成19年3月からサービス提供を開始しています(平成20年2月までの予定)。
 今後、モニターアンケートの結果やサービスの提供状況(通信状況)等を踏まえ、本格実施について、検討を進めていきます。

 お客さまの利便性向上のため、クレジットカード支払い導入による水道料金の支払方法の多様化について検討しました。
 結果として、クレジットカード支払いがお客さまからの要望が高く、平成18年6月の地方自治法の改正を踏まえ、水道料金へのクレジットカード支払いの導入を決定し、平成19年3月に条例を改正しました。水道料金のクレジットカード支払いは平成19年10月調定分より、23区内で水道をご使用のお客さまについて可能になります。
 なお、多摩地域につきましては、平成20年度導入を予定しています。

 桜等の開花時期にあわせた施設開放による入場者数は14,385人、また、年間を通じての浄水場等の見学者数は41,396人で、いずれも前年度より多くの方が来場されました。

実績

 平成19年3月から、自動検針システムを活用した「みまもりサービス」の実地試験を開始しました。

 平成19年10月の水道料金のクレジットカード支払い導入に向け、東京都給水条例の改正等を行いました。

 桜等の開花の時期にあわせて、水道施設の開放を行いました(金町浄水場、和田堀給水所)。

(3)
地球環境の重視
計画
  • 水道水源林管理の充実
  • 太陽光発電設備の整備
  • 資源リサイクルの推進
  • 環境管理の推進

 水道局では、良好な水源林を保護、育成し、安定した河川流量の確保及び小河内貯水池の保全を図るため、森林の手入れや管理歩道の整備など水源林管理作業を行っています。
 平成18年3月に策定した「第10次水道水源林管理計画」では、平成18年4月1日からの10箇年の管理方針を定め、水源かん養機能、土砂の流出防止機能及び水質浄化機能の向上や、二酸化炭素の削減に寄与するなど、環境保全に貢献しています。

 ボランティアの方々により運営される多摩川水源森林隊の活動により、管理の行き届かない民有林を水源地にふさわしい緑豊かな森へ再生させています。昨年度に比べ、活動回数も増加し、より多くの方々の参加を得ることができました。
 シカ対策が施されることにより、草木の食害被害が少なく、森林が保護されています。特に、生息状況調査を実施することにより、シカの分布域等を把握し、より一層の効率的かつ効果的なシカ対策を実施しています。

 浄水処理の最終工程にあるろ過池に異物混入防止用のふたをする覆がい化に併せて、ふたの上部に太陽電池パネルを設置しました。
 これにより、水道水の安全性を高めるとともに、自然エネルギーの積極的活用による環境負荷の低減を図っています。

 浄水場発生土及び建設副産物である建設発生土等のリサイクルにより、産業廃棄物の処分量を削減しました。

 平成18年度版環境報告書は、第10回環境報告書賞の公共部門賞を受賞しました。当局の報告書は、水道事業と環境との関係を分かりやすく伝え、「浄水・配水過程における物質フロー」など、独自のデータを公開した点等が評価され、受賞に至りました。

  環境会計の作成に当たって、配水管浅層埋設の対象となる工事費用の集計方法を見直すなど、より実態に合ったコストの把握・集計を行いました。

実績

 「第10次水道水源林管理計画」の実施を開始

 多摩川水源森林隊は森林保全活動を141回、学習活動を3回開催し、それぞれ延べ1,819名、63名の方々の参加を得ました。

 また、シカ対策については、防シカ柵や単木保護ネットの設置、捕獲及び生息状況調査を行うなど、関係各局と連携して、対策を実施しました。

防シカ柵設置
約9,000m
単木保護ネット設置
約65,000本
捕獲
(東京都域)
634頭
 

 東村山、長沢、金町及び三郷浄水場において、ろ過池覆がい及び太陽光発電設備が完成しました。
 平成18年度に完成した太陽光発電設備の合計発電容量は3,280kwで、発電電力は浄水場内の機器運転等に使用する電力の一部として利用していきます。 

浄水場発生土を園芸用培養土等の材料等としてリサイクルしました。

<浄水場発生土>

有効利用量
約60,886 トン
リサイクル率
80%

 水道工事で発生する建設発生土、建設廃棄物(アスファルトコンクリート塊やコンクリート塊など)を改良土、再生路盤材などの建設資材としてリサイクルしました。

〈建設発生土〉

有効利用量
約672,966m³
リサイクル率
100%

〈アスファルトコンクリート塊及びコンクリート塊〉

有効利用量
約155,874m³
リサイクル率
100%

 平成16年1月に策定した東京都水道局環境計画に基づき、65の具体的な取組事項について施策を進めています。
 平成18年版環境報告書を作成し、公表しました。(平成18年11月)

 平成18年度予算版環境会計を作成し、公表しました。(平成18年8月)
 平成17年度決算版環境会計を作成し、公表しました。(平成18年10月)

施設整備長期目標施設整備主要事業計画も併せて御覧ください。

写真
村山下貯水池の堤体強化工事

写真
貯水槽点検

 

写真
局有車ラッピング

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単木ネット

 
記事ID:081-001-20240819-006512