(H20)効率的で責任のある運営体制の構築など経営基盤の強化

施策 平成20年度の主な実施内容 評価

(1)水道局及び監理団体による一体的事業運営体制の構築

計画

一体的事業運営体制の構築、監理団体に対する指導監督の強化等

◆平成18年度に決定した「一体的事業運営体制の構築について」の基本方針に基づき、一体的事業運営体制を順次構築し、準コア業務※4の監理団体への業務移転と定型業務の民間委託を推進しました。

 

◆多摩地区では、平成20年度末までに給水装置業務(17市町)、施設管理業務(5市町)、徴収整理業務(20市町)、サービスステーション運営業務(12箇所)、お客さまセンター運営業務(25市町)について、東京都監理団体に委託しました。
 区部では、浄水場の運転管理業務と、給水所の維持保全業務及び給水装置業務(8区)を東京都監理団体に委託しました。
 こうしたことにより、公共性を確保しつつ、経営のより一層の効率化を図ることができます。

 

◆東京都監理団体について、経営評価及び役員業績評価制度に基づく評価を実施し、公益的視点に基づいた計画的な事業運営並びに更なる透明性及び公正性の確保の観点から指導監督を行いました。
 こうしたことにより、指導監督を徹底するとともに、情報公開の充実を図っていくことができます。

 

※4 準コア業務
 民間事業者に委託した業務の監督指導や施設の運転など、これまで民間委託がなじまない業域とされていた業務等の事業運営上重要な業務。

実績

◆多摩地区では、給水装置業務(6市)、施設管理業務(2市)、徴収整理業務(5市)、サービスステーション運営業務(4箇所)を東京都監理団体※3に新たに委託しました。
 区部では、三園浄水場外1箇所の運転管理業務や、江東給水所外8箇所の維持保全業務及び給水装置業務(8区)を東京都監理団体に委託しました。

 

◆東京都監理団体については、中期経営計画の見直しを行うとともに、経営評価制度・役員業績評価制度に基づく評価を実施しました。
 また、情報公開の充実を継続するとともに、外部監査(予備監査)を導入しました。

 

※3 東京都監理団体
 東京都が出資または出えんを行っている団体及び継続的な財政支出、人的支援を行っている団体のうち、全庁的に指導監督を行う必要があるもの。
 水道局が所管する東京都監理団体は、平成21年3月現在、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCの2団体

 

(2)多様な経営管理手法の活用

計画

①業務指標を活用した目標管理

 

②外部の専門的意見の反映

 

③PR施設への指定管理者制度(代行制)の導入の検討

 

④技術の継承(ナレッジマネジメントシステム)の構築

〔業務指標を活用した目標管理〕
◆事業評価を実施、公表することで都民の方々へ説明責任を明確にするとともに、事業への反映を図っています。


◆都独自の業務指標については、各指標に対する計画年度・数値を設定しており、実績値を算出、比較をすることにより、目標管理を行っています。
 平成19年度実績値は、多くの項目において、計画値を上回り、目標達成に向けて順調に推移しています。

水道事業ガイドラインに示された業務指標を算出することにより、経営状況等について的確に把握することができるとともに、公表することによって、お客さまにより一層理解していただくことができます。

 

〔外部の専門的意見の反映〕
 ◆「東京都水道事業経営問題研究会」及び「東京都水道局運営体制諮問委員会」を開催し、専門的・実務的な視点に基づいた評価・助言を経営に反映させることで、公共性の発揮や一層の経営の効率化を図ることができます。
 平成20年度には、一体的事業運営体制の構築に向けた取組とその成果について、東京都水道局運営体制諮問委員会の助言を踏まえた報告書を作成しました。

実績

〔業務指標を活用した目標管理〕
◆平成19年度の実績について、独自の業務指標により、算出、公表するとともに水道事業ガイドライン ※5に示されている業務指標についても、算出、公表しました。

 

〔外部の専門的意見の反映〕
◆学識経験者などから構成される「東京都水道事業経営問題研究会」を開催しました(第20回 平成20年7月3日、第21回 平成21年2月17日)。

 

◆弁護士、公認会計士及び民間企業経営層からなる「東京都水道局運営体制諮問委員会」を開催しました(第6回 平成20年7月24日、第7回 平成21年2月10日)。

 

※5 水道事業ガイドライン
 平成17年1月にISO(国際標準化機構)による水道サービスの国際規格化の流れを受け、社団法人日本水道協会が策定
「安心」、「安定」、「持続」、「環境」、「管理」、「国際」の六つの分類による137の業務指標を設定

〔PR施設への指定管理者制度(代行制)の導入の検討〕
◆水道歴史館においては、従来の直営施設から全面民間運営施設に変更しました。 局の事業展開への対応を確保し、他の広報施策とも連携を図っていくため、業務委託方式を採用するとともに、複数年契約による効率化を図りました。
 また、水の科学館についても、より一層効率的運営を目指すとともに、局の事業展開や他の広報施策に対応した企画を実施し、 より魅力ある広報拠点としていく必要があります。この運営方法のあり方について、多角的に検討しています。

 

〔技術の継承(ナレッジマネジメントシステム※6)の構築〕
◆水道技術の確実な継承に資するため、平成19年4月からナレッジバンク(局内イントラネット)の運用を開始しました。
 運用開始後も引き続き、技術情報の充実や操作性の向上などシステム面の拡充を図り、利用促進に取り組んでいます。
 また、(集合)研修においても、予習・復習や講義中の説明の際に活用しています。

※6 ナレッジマネジメントシステム
 水道局が保有する技術やノウハウを共有資産として有効活用していく経営手法

〔PR施設への指定管理者制度(代行制)の導入の検討〕
◆水道歴史館においては、全面民間運営施設に変更したことにより、民間ノウハウの活用ができるようになりました。
 また、水の科学館においても施設の目的に照らして、より適切な運営形態を構築し移行できるよう、引き続き検討を進めていきます。
 なお、合わせて展示物や設備の老朽化等の課題を解決し、より魅力的な展示内容とするための再整備事業も進めています。

 

〔技術の継承(ナレッジマネジメントシステム)の構築〕
◆貴重な水道技術を確実に継承していくための動画資料を作成しました。24種類登録されていた動画資料が41種類に増加しました。

◆今後も、技術情報を集約し、拡充を図るとともに、「ナレッジバンク」を研修等で活用し、人材の育成の一助になるよう努めていきます。

(3)資産の有効活用等

計画

資産の有効活用等

「資産バンクシステム」の活用
資産利活用の推進

◆資産バンクシステム内のデータ化された各種属性情報を検索することが可能となり、業務執行上、事務作業の迅速化が可能になりました。
 今後もより一層の効率化のため、情報の充実及び精査を進めていきます。

 

◆当局が所有する資産の利活用を推進するに当たり、様々な手法の検討を行いました。

① 境浄水場隣接地においては、共同ビル事業による利活用を進め、公開募集によりテナントを選定しました。平成21年3月末しゅん工し、同年4月22日開店しました。

② 局施設の統廃合により発生した未利用地の利活用を図るため、事業用定期借地権の設定による公開募集を実施しましたが、 応募者がありませんでした。今後は、事業予定者がより応募しやすいものとするよう、期間延長を含めた見直しを行っていきます。

③ 組織統廃合により局事業に使用する予定のない建物について、貸付けによる利活用を図りました。
 旧東部建設事務所庁舎については、当局の出資団体に管理を委託しました。

同庁舎には、平成21年4月からテナントが入居し、当局は、テナント収入を得ることにより、局財政に寄与しています。

 これらの未利用地・未利用庁舎の貸付けを行うことにより、資産の利活用を図り、計約5,400万円の収益を上げ、局財政に寄与しています。

④ 東京都内部及びその他地方自治体等の公共事業用地としての移管及び売却並びに民間への売却により、計約17億6,600万円の収益を上げ、局財政に寄与することができました。

◆資産バンクシステムを活用して検出した未利用地の個別調査結果について、同システムに入力を行うことにより、 情報の充実、精査が可能となりました。現在、未利用地の有効な利活用策について検討を進めています。

実績

◆水道局の土地、建物の情報を一元的に管理する「資産バンクシステム」を活用するとともに、 全庁的な都有財産利活用推進施策と連携し、より一層有効な資産管理を進めました。

 

◆資産の利活用の推進

①境浄水場隣接地
 共同ビル事業を進め、公開募集によりテナントを選定し、平成21年4月、食品スーパーを中心とする複合商業施設が開店しました。

②本田漏水防止出張所跡地
 事業用定期借地権の設定による公開募集を実施しました。

③旧東部建設事務所庁舎
 当局の出資団体へ管理を委託し、貸付物件として有効活用を図りました。

④村山貯水池用地の一部ほか11件
 公共事業敷地として売却及び移管並びに民間への売却を行いました。

 

◆資産バンクシステムを活用し、公法上の規制、現況を照会し、利活用の可能性が高い未利用地を検索し、個別調査を実施しました。

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