(H19)次世代を見据えた幅広い施策の推進

 施策 平成19年度の主な実施内容 評価

(1) 水道文化の
継承

計画

①公立小学校の水飲栓直結給水化モデル事業(再掲)

②水道キャラバンの実施(再掲)

【将来にわたる安全でおいしい水(3)蛇口回帰に向けた取組】を御覧ください。

【将来にわたる安全でおいしい水(3)蛇口回帰に向けた取組】を御覧ください。

実績

(2) 地球環境の
重視

計画

①多様な主体との連携による森づくり

  • 多摩川水源森林隊の活動の充実
  • 水道水源林の管理

②環境施策の推進

  • 太陽光発電設備の整備
  • 小水力発電設備の整備

〔多様な主体との連携による森づくり〕
  水道局では、良好な水源を保護、育成し、安定した河川流量の確保及び小河内貯水池の保全を図るため、森林の手入れや管理歩道の整備など水源林管理作業を行っています。
 
  林業の不振により、管理の行き届かなくなった民有林を緑豊かな森へ再生することにより、水源林の機能を再生することができます。
  この再生に向けて、ボランティアの方々で構成される「多摩川水源森林隊」の活動があります。活動回数、活動内容ともに、発足時よりも安定しており、平成20年3月末現在、762名の方々に「多摩川水源森林隊」の隊員として登録いただいています。

 水道水源林のうち約30%が植栽された針葉樹を中心に構成された人工林です。
  このうち、世代交代により更新を図る森林について、間伐、植林等の保全作業を行い、二世代以上の樹木で構成される複層林に誘導しています。
  複層林は、一世代のみで構成される森林と比較して、水源かん養、水質浄化、土砂流出防止等の様々な森林機能が向上します。
  また、人工林を適正に保育管理することにより、森林のCO2蓄積量を増加させ、二酸化炭素の固定化を図ることができます。 
 
  防シカ柵の設置総延長は約99,000m、単木保護ネットは約213,000本となり、シカ対策が順調に進んでいます。これらが施されることで、草木の食害が減少し、森林が保護され機能が回復してきています。
  また、生息状況調査を実施することにより、シカの分布域等を把握し、効率的かつ効果的なシカ対策を実施しています。

〔環境施策の推進〕
  東村山浄水場ほか7カ所の浄水場(所)でろ過池覆がいの上部利用として、太陽光発電設備(総発電規模5,180kw)を設置しています。太陽光発電により得られた電力は、場内設備の運転に使用しています。

 小水力発電設備は、南千住給水所に続き2箇所目の設置となり、その総発電規模は185kwとなっています。

 今後も、さらに自然エネルギー等の有効利用による環境負荷の低減を図る施策を進めていきます。

実績

〔多様な主体との連携による森づくり〕
  平成18年3月に策定した「第10次水道水源林管理計画」に基づき、計画的に実施しました。

 多摩川水源森林隊は、下刈、間伐、枝打、植栽など季節に合わせた森林保全活動を139回実施し、延べ1,808名の方々に参加していただきました。
  学習活動も2回開催し、44名の方々に参加していただき、森林保全作業の見学と植栽等の体験を通して、水道水源林の働きや自然保護の大切さなどについて学んでいただきました。

 水道水源林内の人工林において、森林機能の維持向上が図られる複層林の構成率を4.5%に増加させました。
  また、613haの人工林の保育作業を実施しました。

 シカの生息域の拡大に伴い、中層以下の樹木や植物が採食され、衰退していく森林を守るためにシカの食害対策を引き続き実施しました。
 また、水道水源林におけるシカの生息密度等の経年変化を把握するため、平成16年度から18年度に行った調査のモニタリングを実施しました。

平成19年度実績

防シカ柵設置 約6,000m
単木保護ネット 約6,500本
捕獲数 527頭
(東京都域)  

〔環境施策の推進〕
 平成20年2月に亀戸給水所の配水池に水道水を引き入れる際の圧力を利用した小水力発電設備(最大出力90kw)を設置しました。 

平成19年度決算版環境会計を作成し、公表しました。(平成20年10月)

(3) 国内外の水道界への貢献

計画

技術・ノウハウの国内外に向けた発信

 平成19年度も引き続き海外からの研修生や視察者を受け入れ、水道局の持つ技術やノウハウの発信に努めました。

 海外水道事業体の実務者向けホームページの平成19年11月から平成20年3月末までのアクセス数は5,723件となっています。
  今後も、さらに内容を拡充し、情報発信の強化を図っていきます。

 平成19年11月のISO/TC224第7回総会を受けて、平成20年1月にISO24500シリーズとして国際規格が発行されました。
  なお、我が国では、すでに平成17年にISO日本規格として、ISOに認知された「水道事業ガイドライン」が策定されており、この国際規格の発行による当局事業への直接の影響はありません。
  また、平成20年2月に開催されたIWAワークショップ「気候変動が水道事業に与える影響と適応」では、気候変動に関する情報や参加各国の取組について今後とも情報共有していくという共通認識を構築することができました。

実績

 平成19年度は、アジア、北・中南米のほか世界の様々な地域から462名の研修生や視察者の方々を受け入れました。

 平成19年7月に水道局が持つ漏水防止技術などを発信していくため、海外水道事業体の実務者向けのホームページを設置して英語版の漏水防止ガイドブックを掲載し、同年11月には、海外の実務者と双方向の情報交換を図るため、質問や意見を受け付けるページを設置するなど、さらに内容を拡充しました。

 平成19年11月20日から22日までの3日間、上下水道サービスの国際規格について検討を行う「ISO/TC224※9第7回総会」を水道局の研修・開発センターで開催しました。
  公開セミナーには、国内外を合わせて280名以上が参加し、活発な意見交換が行われました。
  また、平成20年2月にIWA(国際水協会)や社団法人日本水道協会と共同で、ワークショップ「気候変動が水道事業に与える影響と適応」を研修・開発センターで開催し、気候変動に関する情報や参加各国の取組について情報交換を行いました。

※9 ISO/TC224とは
ISO(国際標準化機構)に2002(平成14)年に設置された224番目の技術専門委員会(Technical Committee)のことで、上下水道サービスの国際規格化を検討する委員会です。

写真
水道キャラバンの様子

写真
防シカ柵設置

記事ID:081-001-20240819-006510