「東京水道経営プラン2016」に掲げた施策
Ⅰ 基幹ライフラインの運営
Ⅰ-3様々な脅威への備え(新たな危機管理)
(1)災害などに備えた施設整備
①貯水池の堤体強化 | |
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計画 村山上貯水池における堤頂部の沈下や斜面の変形等を抑制するため、盛土により堤体を強化 | 実績 村山上貯水池堤体強化の準備工事を実施 |
評価 ・対象年度の検証 計画どおり、村山上貯水池堤体強化事業に着手しました。 ・目標の達成に向けた主な課題 仮締切などの準備工事が本格化するため、今後適切な工程管理が必要となりますが、特段の課題はありません。 ・目標の達成に向けた今後の方向性 首都直下地震等が発生した場合でも、一般の通行にも開放している堤頂部の被害を最小限に抑制するため、綿密な工程管理や計画的な工事発注などを行い、事業を着実に進めていきます。 |
②浄水施設の覆蓋化 | |
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計画 東村山浄水場及び金町浄水場更新代替としてそれぞれ整備する、境浄水場再構築施設及び三郷浄水場増強施設を覆蓋化 | 実績 境浄水場の老朽化対策工事を実施 三郷浄水場の先行整備工事を実施 |
評価 ・対象年度の検証 境浄水場は老朽施設の更新を、三郷浄水場は増強整備に先立つ施設整備を実施しており、概ね計画どおり進めています。 ・目標の達成に向けた主な課題 既存施設を運用しながら工事を進めるには、適切な工程調整等が必要ですが、概ね計画どおり工事を進めており、特段の課題はありません。 ・目標の達成に向けた今後の方向性 異物混入対策を万全にし、浄水場機能を維持するため、引き続き綿密な工程管理や計画的な工事発注などを行い、事業を着実に進めていきます。 |
③配水池の耐震強化 | |
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計画 災害時にも安定給水を確保するため、配水池の耐震化を計画的に実施 H26(耐震化率)70% H32(目標)89% H37(目標)99% ※区部多摩計 練馬給水所、有明給水所等にて配水池の耐震強化を推進 鑓水小山給水所、大船給水所、散田給水所等の調査・設計及び整備を実施 |
実績 練馬給水所等の配水池耐震強化工事を実施 有明給水所耐震強化の調査・設計を実施 鑓水小山給水所について、耐震強化工事を実施(高架水槽を含む。) 大船給水所及び散田給水所について、耐震強化設計を実施 |
評価 ・対象年度の検証 練馬給水所は、耐震強化工事を実施しており、概ね計画どおり進めています。 有明給水所は、設計を計画どおり進めています。 鑓水小山給水所は、計画どおり耐震強化を完了し(高架水槽を含む)、震災時の安定給水性が向上しました。 ・目標の達成に向けた主な課題 練馬給水所は、計画どおり工事を進めており、特段の課題はありません。 有明給水所は、狭あいな敷地内で複数の工事が実施されることから、施工方法等の詳細な検討が必要となります。 配水池耐震施設率の向上のため、事業費を確保して着実に設計・施工を進める必要があります。施工に当たっては、水運用への影響を考慮し、通常の給水に支障がないようにすることが必要です。 ・目標の達成に向けた今後の方向性 災害や事故時などの非常時の際にも、可能な限り給水を確保するため、以下のように進めていきます。 練馬給水所については、綿密な工程管理を行い、事業を着実に進めていきます。 有明給水所については、綿密な工程管理や適切な時期での工事発注などを行い、事業を着実に進めていきます。 今後とも、震災時に停止した際の影響が大きいなど、施設の状況を踏まえ、計画的に耐震強化を進めていきます。 |
④配水管の耐震継手化 | |
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計画 重要施設への供給ルートの耐震継手化を実施 整備完了の目標年度 〇:平成31年度 ●:平成34年度 ★:平成37年度 |
実績 重要施設への供給ルートの耐震継手化率 (平成28年度末) 〇首都中枢・救急医療機関等 85% 〇大規模救出救助活動拠点等 54% 〇避難所(中学校) 53% 〇主要な駅(乗車人数 20万人超/日) 47% 〇東京2020オリンピック・パラリンピック 競技大会会場等 73% ●避難所(小学校) 50% ●主要な駅(乗車人数 10万人超/日) 51% ★避難所(大学・高等学校・公民館等) 40% |
評価 平成31年度を完了目標とする重要施設については、既に全ての供給ルートを抽出し設計の着手に向けた関係機関との調整を開始しており、目標を達成できる見込みです。 さらに、東京2020競技大会会場への供給ルートの耐震継手化については、一層加速化して実施しており、対象となる供給ルートの全てについて、設計に着手 しています。 |
⑤避難所等給水管の耐震化 | |
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計画 配水管から水道メータまでの給水管を耐震継手化 28年度計画:606件 [区部247件 多摩359件] |
実績 28年度実施:263件(43%) [区部141件(57%) 多摩122件(33%)] |
評価 ・対象年度の検証 実績は28年度計画の43%であり計画件数を下回る執行となりました。その理由として、避難所の多くが学校であり、児童の安全確保を最優先することから施工条件の制約を受けることが多く、事前調整に時間を要していること、駅については、施工時間や施工条件の制約を受けるため、協議に時間を要していることがあります。 ・目標の達成に向けた主な課題 早期の段階から施設管理者や関係部署と綿密に協議を行い円滑に施工ができるよう調整を図る必要があります。 ・目標の達成に向けた今後の方向性 円滑に事業を推進するため、早期の段階から施設管理者や関係部署と綿密に協議し、調整を行うとともに、避難所の多くを占める小中学校については副校長会議等に参加し、事業概要や趣旨説明を行っていきます。 |
⑥私道内給水管整備 | |
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計画 私道に配水小管を布設し、既設の給水管をステンレス化 28年度計画:83km [区部65km 多摩18km] |
実績 28年度実施:54km(65%) [区部38km(58%) 多摩16km(89%)] |
評価 ・対象年度の検証 実績は計画の65%であり計画件数を下回る執行となりました。理由として、工事コストの上昇により、これまでと同程度の予算規模であっても、計画延長を施工できなかったことがあります。 ・目標の達成に向けた主な課題 局財政状況等から予算規模の拡大は困難であることから、コスト縮減に努め、施工延長を確保する必要があります。 ・目標の達成に向けた今後の方向性 平成29年度からは、埋設深度の浅埋化、配水管口径の見直しなどコスト縮減に努め、整備延長を確保していきます。 |
⑦自家用発電設備の新設・増強 | |
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計画 大規模停電時の給水確保率100% H26(確保率)61% H32(目標)97% H33(目標)100% 大規模停電時でも、浄水場は施設能力を100%発揮できるよう、給水所などは平常時と同様に稼働できるよう、自家用発電設備を新設・増強 大規模停電時に備え、三郷浄水場に常用自家発電設備を設置 |
実績 金町浄水場非常用発電設備設置工事の設計を実施 上井草給水所非常用発電設備設置工事を実施 多摩地区の給水所・増圧ポンプ所等8か所の非常用発電設備が完成 日野増圧ポンプ所、連光寺給水所、上川増圧ポンプ所、高尾山増圧ポンプ所、養沢第一増圧ポンプ所、二俣尾第二増圧ポンプ所、大久野第四配水所、裏高尾増圧ポンプ所 三郷浄水場増強の先行整備と併せ、常用自家発電設備の整備を実施 |
評価 ・対象年度の検証 平成28年度完成した非常用発電設備により、大規模停電時の給水確保率が66%に上昇しました。 計画どおり日野増圧ポンプ所等について自家用発電設備の新設・増強を完了し、震災時の安定給水性が向上しました。 三郷浄水場においても、常用自家発電設備設置の設計を計画どおり進めています。 ・目標の達成に向けた主な課題 三郷浄水場の常用自家発電設備設置は、関連する建屋工事との工程調整等が必要ですが、概ね計画どおり工事を進めており、特段の課題はありません。 大規模停電時における給水確保率の向上のため、事業費を確保して着実に設計・施工を進める必要があります。 施工に当たっては、既存の施設・設備への影響を考慮し、通常の運用に支障がないようにすることが必要です。 ・目標の達成に向けた今後の方向性 大規模停電時でも浄水場の施設能力を100%発揮するため、関連する建屋工事の工事進捗に合わせ、計画的な工事発注などを行い、事業を着実に進めていきます。 今後とも、大規模停電の際に、断水や濁水が発生しないように、計画的に自家用発電設備の新設・増強を進めていきます。 この取組によって、電力事情に左右されない電力の自立化が図られ、電力の安定的な確保が可能になります。 |
⑧浸水対策 | |
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計画 内閣府中央防災会議「大規模水害対策に関する専門調査会」が公表した河川氾濫による浸水被害想定などに基づき、被害が生じる可能性がある14施設に止水堰や防水扉などを設置し、浸水対策を実施 | 実績 対策完了施設 浄水場3 三郷・朝霞・砧 給水所9 亀戸・葛西・南千住・西瑞江・晴海・豊住・江東・水元・小右衛門 |
評価 浸水被害が想定される施設の対策について完了しました。2施設については、引き続き対策を進めます。 こうした取組によって、災害時における安定給水が確保されます。 |
(2)災害発生時の対応
①応急体制の充実 | |
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災害時給水ステーション | |
計画 応急給水している場所を分かりやすくするため、給水拠点や避難所などには、「災害時給水ステーション」と表示したのぼりを掲示 | 実績 区市町が避難所近辺の消火栓等で行う応急給水に使用するのぼりを各区市町へ全部で約4,900セット(ステーション1箇所毎に2セット)配布 |
評価 ・対象年度の検証 平成27年度に給水拠点用として、局内各事業所へのぼり旗約450枚等を配布しました。 平成28年度に区市町が避難所近辺の消火栓等で行う応急給水に使用するのぼり旗約4,900枚等を各区市町へ配布したことにより、関係主体への配布が完了しました。 今後の方向性 今後とも、様々な給水訓練の機会を捉えて、災害時給水ステーションとして応急給水場所がより分かりやすくなるよう努めていきます。 |
情報発信の充実 | |
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計画 発災時に、より分かりやすい情報を発信するため断水・通水地域の情報を視覚的な地図情報としてホームページに掲載 平成28年度は設計・開発に先立ち、基盤となるシステム検討や表示方法等、提供情報の整理を実施 |
実績 関係部署による検討会を通じ、発災時の提供情報の整理を計画どおり実施 |
評価 ・対象年度の検証 目標の達成に向けた年次計画に対し、計画どおりに進んでいます。 ・目標の達成に向けた主な課題 発災時に情報提供すべき通水状況をどのように表示するか、詳細な検討が必要です。 ・目標の達成に向けた今後の方向性 発災時の通水状況の提供方法等について、引き続き検討を継続していきます。 提供情報の整理に基づき、必要な設計・開発について平成30年度予算要求に反映していきます。 |
目標管理も併せてご覧ください。
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