「東京水道経営プラン2013」に掲げた施策

5 お客さまとのコミュニケーション

現状と課題

 水道局では、これまで広くお客さまニーズの把握に努め、施策に反映させることで、サービスの向上を図ってきました。また、水道事業への理解を深めていただくため、広報・広聴の両面からお客さまとのコミュニケーションを図るとともに、水道施設に親しんでいただくための取組を実施してきました。
 今後とも、お客さまの立場に立ったサービスの向上に継続的に取り組んでいくとともに、より多くのお客さまに満足していただくため、水道局の取組に対するお客さまの理解を深めていくことが重要です。
 さらに、震災時の対応などの課題解決に向けて、区市町や地域住民など多様な主体との連携を深めていくことが求められています。

平成27年度の主な実施内容

(1)お客さまサービスの向上

①お客さまの利便性の向上
計画 実績
  • ・検針票等の電子化による情報提供
  • ・平成27年1月から「使用実績情報提供サービス」に代わって「東京水道マイネット」の運用を開始し、検針票等の電子化による情報提供を実施
  • ・インターネットを利用した水道料金のクレジットカード都度払いの導入
  • ・「東京水道マイネット」によるクレジットカード都度払いのサービス機能を構築
  • ・モバイル型検針の拡大に向けて実証区域を設定し、効果等を検証
  • ・実証区域での調査結果とアンケート内容を分析
評価
  • ・検針票等の電子化(「東京水道マイネット」)による情報提供を平成27年1月から実施し、平成28年3月末時点で約47,000件ご利用いただき、お客さまの利便性向上に努めました。
  • ・インターネットを利用したクレジットカード都度払いサービスにより、水道料金のお支払方法の選択肢が広がりました。
  • ・自動検針や漏水通報などのサービスに関して、一定のニーズがあることを確認でき、今後のスマートメータ※化モデル事業に活用できる知見を得ることができました。
 
※ スマートメータ ・・・ 使用情報を把握することができる通信機能等を持ったメータのこと。

(2)親しまれる水道への取組

①親しまれる水道施設づくりの推進
計画 実績
  • ・見学者施設の整備及び安全性の確保
  • ・水源地ふれあいのみちの道標取替え及び案内板の補修
評価
  • ・玉川上水をはじめとする水道施設の見学者施設を整備し、水源地では安全に散策できるよう道標の取替えや案内板の補修を行い、より一層親しまれる水道施設づくりを推進しました。
②玉川上水の整備保全
計画 実績
  • ・史跡玉川上水整備活用計画に基づき、水路・のり面の保全、名勝「小金井(サクラ)」の保存、PR活動等を実施
  • ・水路・のり面の保全対象区間の調査及び設計を実施
  • ・法面保護や周辺地への影響を防ぐため、倒壊のおそれの高い巨木の伐採等を実施
  • ・小金井市の関野橋から梶野橋までの約400mのうち約120mの両岸で、サクラに覆いかぶさる樹木の伐採・せん定の実施及びサクラの苗木を補植する場所の提供
評価
  • ・玉川上水を次世代に継承していくため、素掘りののり面の保護や樹木処理、教育庁・地元自治体・地元団体との協働による国指定名勝「小金井(サクラ)」の育成、ヤマザクラ並木の復活のための取組などを着実に推進しました。
③水道工事を活用したイメージアップ
計画 実績
  • ・工事現場における見学会の実施や広報看板の設置など様々な取組の充実
  • ・信頼や親しみを深めていただくため、水道の仕組みや安全でおいしい水に関する取組等について説明を実施
  • ・工事説明会の開催7件、工事見学会の開催22件、地域イベントへの参加22件、その他局事業PR等2件、計53件
評価
  • ・工事現場付近の住民等に水道工事の説明などを行うことで、水道工事への理解を促すことができました。
  • ・地域イベントへの積極的な参加により、お客さまとのコミュニケーションを充実させることで、水道事業への信頼と親しみを深めていただくことができました。
④まちなか水飲栓の試験設置
計画 実績
  • ・まちなか水飲栓の試験設置を検討・実施
  • ・まちなか水飲栓を東京国際フォーラムに試験設置
    (平成26年8月設置)
評価
  • ・まちなか水飲栓を多くの方に体験していただけるよう、当局のキャラクターである水滴くんをイメージした親しみやすいデザインの水飲み場にしました。
  • ・平成27年度は、約3万5千人のお客さまにご利用いただき、好評を得ました。

(3)コミュニケーションの推進

①広報・広聴施策の推進
○効果的な広報施策の推進
計画 実績
  • ・「水道ニュース」(年5回)の発行
  • ・お客さまに水道に対する理解を深めていただくため、「水道ニュース」の新聞折込や公共機関への設置など積極的な広報活動を実施
  • ・「東京水 飲み比べキャンペーン」の実施
  • ・年間を通して飲み比べキャンペーンを実施し、水道水のおいしさを積極的にPR
  • ・地域に密着した広報の実施
    (「水道なんでも相談」の実施、「地域水道ニュース」の発行)
  • ・6月の水道ふれあい月間等において、地区主催イベント、駅前広場、商店街などで「水道なんでも相談」を実施し、水道に関する様々な相談に答えるとともに、水道水とミネラルウォーターの飲み比べを実施
  • ・各地域を担当する営業所等において、地域特性や地域のニーズを踏まえて、地域情報を分かりやすく伝える「地域水道ニュース」を発行
  • ・水道キャラバン
 
  • 学校における水道キャラバン : 実施目標 1,200校
  • ・都営水道給水区域における小学校4年生を中心に水道に関して正しい知識を持ってもらうことで「水道水のおいしさ・安全性」「大切さ」などの理解を深めてもらうため、希望する小学校にキャラバン隊による訪問授業を実施
  • ・平成27年度は、1,269校、約9万人の児童が水道キャラバンを受講
  • 地域における水道キャラバン : 実施目標  150回
  • ・水道キャラバンのノウハウを活かして、新たに子育て中の保護者を対象とした地域水道キャラバンを実施
  • ・平成27年度は、児童館や地域のイベントなどで216回実施
評価
  • ・「水道ニュース」は、年5回、総数で約1,771万部を発行し、多くのお客さまに広報することができました。
  • ・「東京水飲み比べキャンペーン」や地域イベントにおいて水道水とミネラルウォーターの飲み比べを実施し、52,271人のお客さまに高度浄水した水道水のおいしさを実感していただきました。
  • ・「地域水道ニュース」の発行などにより、その地域に絞った情報発信を行うことで、災害時の給水拠点などについて分かりやすく効果的に広報することができました。
  • ・水道キャラバンは、学校・地域ともに、目標を上回る実施結果となりました。実施後のアンケートでは、児童から「楽しかった」「どうやって安全でおいしい水が作られているのかが分かった」などの声が寄せられました。また、多くの教員の方々から、「次年度の水道キャラバンを希望する」との回答を頂きました。児童館で実施した水道キャラバンでは、多くの参加者から「講座を受講し、ためになった」との評価を頂きました。
○お客さまの声の施策への反映
計画 実績
  • ・お客さまからのご意見・ご要望や、お客さま満足度調査などを通して、お客さまの声を把握
  • ・お客さまから寄せられたご意見・ご要望は、全ての職員が情報共有できるように、個人情報は秘匿した上で局内イントラネットに掲載して、業務改善などに活用
  • ・寄せられたご意見・ご要望などについて、データベースとして蓄積し、お客さまニーズの分析を行い、施策に反映
  • ・当局内に設置した「お客さまの声活用委員会」(平成21年4月設置)において、お客さまの声を施策に反映させるための審議を行い、その成果として、「水道のご使用開始のお申込み」等のインターネット画面に、局ウェブサイトのトップページから直接入れるように改善
  • ・お客さまの声をもとに、英語版「クレジットカード払い申込書」の記入例を局ウェブサイトに掲載
評価
  • ・お客さまの声を全ての職員が情報共有することで、貴重なお客さまの声を埋もれさせることなく、どの部署でも業務の参考として活用しています。また、対応策の共有や職員の意識向上にも活用しています。
  • ・お客さまの声をデータベースに集約、分類別の件数推移や傾向の分析を行い、お客さまニーズをより的確に把握しています。平成27年度も、インターネット手続きの案内の改善など、お客さまの声を反映させたきめ細かなサービス施策を実現しました。

(4)多様な主体との連携

①消火栓・排水栓の活用(再掲)
計画 実績
  • ・消火栓等を活用した応急給水資器材の貸与
  • ・945セットの応急給水資器材を区市町に配布
評価
  • ・平成25年度からの3年間で計2,531セットの応急給水資器材を貸与しました。
  • ・この取組によって、応急給水拠点での給水活動の補完として、区市町職員等が消火栓・排水栓から給水できる環境を整備しました。
②応急給水拠点の改造(再掲)
計画 実績
  • ・応急給水拠点の改造
  • ・区部1区と覚書を締結
  • ・都外1市と協定の締結に向けて調整
評価
  • ・平成25年度からの3年間で区部15区、多摩16市及び都外等2市で応急給水に関する覚書を締結し、70か所で応急給水拠点の改造工事を実施しました。
  • ・職員の参集を待たずに、地域住民自らが応急給水を容易に行えるようにする取組を着実に進めました。

目標管理も併せてご覧ください。

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